RPAの機能を徹底比較!各ツールの特徴や導入におすすめの企業をご紹介
RPA(Robotic Process Automation)は、企業の業務効率を飛躍的に向上させる技術として様々な業界で導入されています。
しかし、数多くのRPAツールが存在し、それぞれに独自の機能や特徴が異なるのでどのツールが自社のニーズに最適なのか、選定に悩む企業も多いことでしょう。
本記事では、RPAツールの機能や特徴を比較し、それぞれ導入におすすめの企業についてもご紹介します。
RPAの導入に先駆けてしっかりとツールを比較検討したい方はぜひご一読ください。
RPAツールの基本機能と3つの種類
各RPAツールの機能の比較の前に、知っておくべき基本機能とRPAツールの3つの種類の違いについて確認しておきましょう。
RPAツールの基本機能まとめ表
まずはRPAツールの基本的な機能について解説していきます。
以下の表に記載した7つがRPAツールに搭載しているベーシックな機能として挙げられます。
下記の表に記した基本機能の中で自社に必要な機能が備わっているか、各ツールを比較する際にお役立てください。
機能 | 詳細 |
レコード機能 | ユーザーがマウスやキーボードで行う操作を記録しロボットへ登録して操作を再現させる機能 |
---|---|
文字・図形・色の判別 | OCR(文字起こし)技術を使用して、画面上に表示された文字の内容や、図形、色を読み取り、必要な文字情報を取り込む機能 |
スケジュール機能 | 毎日、毎週、毎月といった周期的な業務実行スケジュールや、特定の日付や時刻に作業を自動実行する機能 |
トリガー設定 | 特定の条件やイベント(メール受信やファイルの更新など)が発生したときに自動的にタスクを実行する機能 |
エラー処理 | タスク実行中に発生するエラーを自動的に検出し記録、担当者へアラートを送信したり適切に対処する機能 |
AI・機械学習の搭載 | AIを搭載し、データ分析やパターン認識など作業内容の機械学習を繰り返してより最適な処理を見つける機能 |
複数ロボットの同時稼働 | 複数のロボットが並行してタスクを同時に実行できる機能 |
RPAツール3つの種類
RPAツールは、大きく分けての下記の3つの種類に分類されます。
- デスクトップ型
- サーバー型
- クラウド型
それぞれの特徴や導入におすすめの企業規模について下記の表に簡単にまとめているのでぜひご覧になってから、各ツールの機能比較に移りましょう。
デスクトップ型RPA | サーバー型RPA | クラウド型RPA | |
インストール先 | パソコン | サーバとパソコン | 提携企業のサーバー |
---|---|---|---|
特徴 | 個々のパソコン上で動作するRPAツール。簡単に導入でき、個々の業務に特化した自動化が可能。オフライン稼働も可能。 | サーバー上で動作するRPAツール。複数の業務プロセスを一元管理し、企業全体の業務を自動化することが可能。 | クラウド環境で動作するRPAツール。インターネットを通じてどこからでもアクセスでき、柔軟な利用が可能。導入が容易で、運用コストを抑えられる。 |
企業規模の目安 | 中小企業・大企業 | 大企業 | 中小企業 |
操作が分かりやすく簡単な初心者向けRPAツール比較
ここからは各RPAツールの特徴に触れながら、機能についてご紹介していきます。
まずは数あるRPAツールの中でも使い方がシンプルで分かりやすく簡単な操作で扱える初心者に向けた製品の特徴や機能を比較していきましょう。
導入が初めての方や社内にRPAに関して専門知識をもった従業員がいない企業は、ぜひ参考にしてみてください。
batton(バトン)
battonは「スマートフォンのように誰でも使える設計」を掲げており、マニュアルがなくても感覚的かつキーボード操作だけで開発ができるRPAツールです。
RPAツールの導入にあたっての目標設定から運用まで支援してくれて、定期的に勉強会でアドバイスももらえるので初心者にも安心の扱いやすいツールと言えるでしょう。
batton動作形態:クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー |
AUTORO(オートロ)
AUTOROは、画面上で実際の業務フローを記録させるだけで、定型業務を自動実行できる、操作が簡単なクラウド型RPAツールです。
他にも反社チェックや広告レポート、ECサイト業務など幅広く自動化させることが可能です。
多数のAPI連携機能も標準搭載しているため、アプリなどとスムーズな連携が行えます。
業務フローをまるごとコピーして共有できるので、個人利用だけでなくチームでの利用にもおすすめです。
AUTORO動作形態:クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 要問い合わせ |
EzAvater(イージーアバター)
EzAvaterは少ない手順と簡単なマウス操作で簡単にロボット作成ができ、専門知識がなくても導入できる初心者向けのRPAツールです。
ライセンスはロボット作成・実行が可能な「フル機能ロボット」、作成したロボットをコピーして利用する、ロボット実行に特化した「実行専用ロボット」、またロボットを集中管理できる「管理サーバ」の3種類があります。
契約前に無料体験(ハンズオン)ができるので実際のロボット作りを試してみて導入後をイメージしておくのもおすすめです。
EzAvater動作形態:デスクトップ型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 要問い合わせ |
導入実績が豊富!人気製品を導入したい企業へおすすめのRPAツール比較
次に様々な業界での導入実績が豊富な人気が高いRPAツールの特徴や機能について比較していきます。
初めての導入は評判の高い製品から選びたい方、サービスや機能性の高さを重視して導入を検討したい方におすすめの製品を比較してご紹介しているのでぜひご覧ください。
MICHIRU RPA(ミチル)
MICHIRU RPAは月額費用が5万円、とデスクトップ型の中で業界最安を誇るRPAツールです。
導入企業は900社以上突破しており、「プログラミングが不要でとにかく操作が簡単」と機能性・使いやすさの評価が高く、人気はさらに拡大しています。
また、シナリオ作成代行などの便利なオプションや、導入前後の手厚いサポートからもサービスの高さがうかがえます。
初めて導入する方は1ヶ月間の無料トライアルからぜひ試してみてください。
MICHIRU RPA動作形態:デスクトップ型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 1ライセンスにつき同時実行は1台、同時編集は5台まで |
WinActor(ウィンアクター)
WinActorはWindows上で動く様々なアプリやソフトに対応しており、ドラッグ&ドロップなどの直感的で簡単な操作でロボットへの実行シナリオを作成可能なRPAツールです。
さらにWinActorは日本国内生産で日本語サポートが手厚いのも嬉しいポイントの一つ。
業務でよく使用される機能を1,000以上用意されているので、導入後は組み合わせるだけで簡単に業務を自動化可能です。
WinActor動作形態:デスクトップ型/サーバー型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー |
RPA BizRobo!(ビズロボ)
RPA BizRobo!は1ライセンスでインストール無制限、と追加料金がかからない低コストが評判のRPAツールです。
ロボットをつくればつくるほどお得になるので、大規模運用で自動化を進めたい企業に導入をおすすめします。
独自の機能学習機能でエラーの少ない安定した業務稼働を可能にする、料金と機能性の費用対効果が高い製品です。
RPA BizRobo!動作形態:サーバー型/デスクトップ型/クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇(プランによる) | 〇(台数はプランによる) |
低価格でスモールスタートしたい企業へおすすめのRPAツール
RPAツールを初めて導入するときに注意したいのが「スモールスタート(小規模から始める)」すること。
小規模範囲で業務の自動化をスタートし、運用イメージが付いてから自動化の範囲を広げていくことをおすすめします。
ここでは低価格でスモールスタートにおすすめのRPAツールの特徴や機能を比較してご紹介します。
RPA Robo-Pat DX(ロボパット DX)
RPA Robo-Pat DXはヘルプデスクや基本的なサポートを無料で提供しているRPAツールです。
繁忙期だけなど特定の期間限定で利用できる月単位の契約も魅力でスモールスタートから始めたい企業へおすすめです。
すべてのアプリケーション、システムに対応しているなど自由度が高く、操作もマウスとキーボードで簡単に行うことができます。
RPA Robo-Pat DX動作形態:デスクトップ型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | ー |
マクロマン
マクロマンは、機能・インストールの制限なく完全無料で利用できる日本国内生産のRPAツールです。
料金が発生するのは有償サポートを受けた時なので、必要なサポートだけを選んで業務自動化を効率的に進めることができます。
マクロマン動作形態:デスクトップ型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | ー | 〇 | ー | 〇 | ー | ー |
JobAuto(ジョブオート)
JobAutoは、初期費用0円で利用可能な国内生産のRPAツールです。
はじめての導入にも安心の、使い方レクチャーや制作代行などの導入サポートも行ってくれます。
また管理機能と仮想環境動作を標準搭載しており機能性が高い点もおすすめポイントです。
JobAuto動作形態:サーバー型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
ー | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | 〇 |
さらに自動化の範囲を広げたい企業へおすすめのRPAツール
ここではRPAツールによる自動化業務の範囲をさらに広げていきたい、大規模利用を検討している企業へおすすめのRPAツールの特徴と機能を比較してご紹介します。
UiPath Platform(ユーアイパス プラットフォーム)
UiPath Platformはロボットで自動化できるワークフローを作成する開発ツールの「UiPath Studio」、ワークフローを実行するツール「UiPath Robot」、そして作成したロボットの業務稼働状況を統合管理するツール「UiPath Orchestrator」の3つで構成されています。
UiPathの強みは高機能性と柔軟な拡張性であり、様々なシステムと連携し個人利用から1,000台を超える大規模利用まで可能です。
UiPath Platform動作形態:サーバー型/デスクトップ型/クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 要問い合わせ |
SS&C Blue Prism(ブループリズム)
Blue Prismは高度な業務管理機能を搭載しており、運用管理や監査、セキュリティに強みがあるRPAツールです。
他にもAPI連携やAIの活用など企業全体の最適化を目的とした機能が多数用意されているため、これから業務の自動化範囲を大規模展開していきたい企業へメリットの大きい製品です。
Blue Prism動作形態:サーバー型/デスクトップ型/クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Automation Anywhere(オートメーション エニウェア)
Automation Anywhereは世界中で広く導入されており近年では日本語対応も可能となり国内でも進出しているRPAツールです。
ドラッグ&ドロップするだけで簡単かつ直感的にロボットを作成したり、業務フローを設計することができます。
また、任意のブラウザや、Windows、Linux、MacOS など様々なシステムからも自動化を実行でき、様々な環境に対応しているのも大きな強みの一つです。
Automation Anywhere動作形態:サーバー型/デスクトップ型/クラウド型
レコード機能 | 文字・図形・色の判別 | スケジュール | トリガー | エラー処理 | AI搭載 | 複数ロボットの同時稼働 |
〇 | ー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
記事まとめ:各ツールの機能を比較して自社に適切な製品を見極めよう
本記事では、RPAツールの主要な機能と特徴を比較し、それぞれ導入におすすめの企業について詳しく解説しました。
各ツールには独自の強みがあり、業務の種類や企業のニーズによって適したツールは異なります。
自社に最適なRPAツールを見極めるためには、まず自社の業務プロセスを分析し、必要な機能や要件を比較して明確にすることが重要です。
今回紹介した情報を参考に比較検討して最適なツールを選定し、業務効率化と生産性向上を実現しましょう。